Somatic Experiencing®


技法について

 

タイトレーション、ペンジュレーション

 

解放という語には少し強い響きがありますが、一気にドカンとではなく、ゆっくり少しずつ進めていくということがとても重要です。

 

例えば、叫びながら枕をラケットで叩くなどの”解放”を想像してみて下さい。こうした激しい解放を行うと、その変化のスピードに身体や神経系がついていけず、むしろ逆効果となります。そのような技法は用いません。

 

ゆっくり少しずつ、ということが大事です。また、2つの状態の間を行ったり来たり、の段階的プロセスを経ていくことも重要です。ピーター・ラヴィーン氏はこれらについて、タイトレーション、ペンジュレーションという語で説明しています。

 

・タイトレーション

 元々は化学の用語で、滴定(てきてい)という意味です。SEにおけるタイトレーションとは、トラウマの渦(感覚、イメージ、感情などが渦巻いている)にいきなりダイブするのではなく、ゆっくり少しずつそこにアクセスしていくことを意味します。凍りつきの中には、高度に活性化した交感神経のエネルギーが閉じ込められていますが、このエネルギーを少しずつ解消していくことで、神経系はなだらかな平衡のとれた状態へと移行していきます。

 

・ペンジュレーション

 振り子、という意味です。閉じた状態と開いた状態、収縮と拡大、緊張と弛緩の間などを、振り子のようにリズミカルに行き来しながらセッションを進めていくことを意味します。

 タッチや運動機能も重視する

 

身体は変化を受け容れる器です。身体がそのための順応性や適応性を持っていない場合は、それらを育んでいくことが必要となります。そのため、身体を使ってバランス感覚を養ったり、力加減はどれくらいがいいかを吟味するようなワークをすることもあります。手を使って境界線を作るとか、NO!と言う、などのワークをすることもあります。

 

SEは一般には自律神経系のワーク、と認識されているようですが、ラヴィーン氏は、体性神経系と自律神経系のリンク、ということもよく述べています。体性神経系は、筋肉のコントロール、タッチ、固有受容感覚(自分の身体はどこにあるか)などと関連しています。それらを養うために、ボールを使ったり、Tuning Board™に乗ったり、その他エクササイズグッズを用いることもよくあります。

 

椅子に座った状態でセッションすることもあれば、立った状態や、マッサージテーブルに横になっていただいた状態でセッションすることもあります。SEはプラクティショナーの独創性によって進め方は様々であり、身体に直接触れるタッチを用いる場合と、用いない場合があり、どちらも身体と神経系の統合につながります。

 

 

安全の探求 ひとりのプラクティショナーとして

 

未だ語られていない身体の声を聴く、ということがセッションの本質です。そのためには、語れないことを語ることのできる、安全な場や関係性が必要になります。それがあれば、あとは身体の自己調整能力に任せておけばよい、と言うこともできます。身体はそれだけ賢く、目を見張るような調整力をもっていることを、これまでのセッションを通じて私は見てきました。神経系が安全を感じられればよい、というだけではなく、身体にはさらに深い安全を受け容れるキャパシティーがあります。好奇心を持って、その可能性を一緒に探求できることを喜びとしています。

 

心理系のセラピストとの連携

 

私は、身体技法を中心にワークします。ロルフィング®という身体教育法のプラクティショナーでもあります。)心理学的症状を伴う場合、その分野に精通したプラクティショナーを紹介したほうがいいこともあります。できる限り連携を取り紹介できるように努めます。(必ず紹介できるお約束はできません。)

 

統合失調症、双極性障害、パーソナリティー障害、発達障害、アルコール・薬物依存症などの症状を扱うことはできませんので、あらかじめご了承ください。

自傷・他傷行為、自殺意図などの症状がある場合や、当方で扱える範囲を超えていると思われる場合には、セッションをお断りしたり、心理系のセラピストなどへのご紹介をさせていただく場合もございます。

 

提供するセッションは身体的サポートであり、医療行為やそれに代わるものではありません。